■基本ルールその9
●文体を統一する
・読者の混乱を招かない
文体には、大きく「です・ます調(敬体)」と
「だ・である調(常体)」の2つがあります。
「です・ます調」と「だ・である調」のどちらを
用いるかは、マナーでいうところの「TPO(時・場所・場合)
の使い分け」と同じです。
通常は、「誰に読ませる文章か」「どんな目的の文章か」を
考慮しながら、書き手が事前に判断します。
【A】の【ダメ文】 は、「だ・である調」 を採用した文章かと思いきや、
途中、「ふくらみます」 の部分だけ「ですます調」 が混ざっています。
どちらか一方の文体に統一したほうがスマートです。
【修正文】は「ですます調」と「だ・である調」 のそれぞれに統
ーする場合の例を挙げています。
ちなみに、本書では、不特定多数の読者に親しんでもらえるよう、
やわらかさを感じる「ですます調」を採用しています。
「です・ます調」を採用しても、伝えるべき主張は
力強く行う。「だ・である調」を採用しても、
読む人に堅苦しさや偉ぶった印象を与えない――この絶妙なサジ加減が
身につくと、書き手として、さらに高みへ進むことができるでしょう。
※ 「です・ます」 「だ・ である」 どちらかで統一
●「です・ます調」の特徴
□ 丁寧な印象 □ やわらかい印象 □ 謙虚な印象 □ 軽い印象
□ 語尾の表現バリエーションに乏しい
□ 子どもに受け入れられやすい□ 意見や主張をぼかせる
□ 不特定多数に受け入れられやすい
□ お客様向けの文章に向いている
●「だ・ である調」の特徴
□ 堅い印象 □ 断定的な印象 □ 専門用語を使いやすい
□ (一歩間違えると)偉そうな印象 □ テンポがいい
□ 語尾の表現バリエーションが豊か □ 簡潔
□ メッセージ性のある文章、批評、評論などに向いている
□ 内容を重視する論文やレポート、 報告書などに向いている
□ 読み手との間に感情的な壁を作ることがある
【A】
【ダメ文】 ●文体が混ざっている
粗大ゴミの放置問題は、軽視できない。 街の美観を損ね、
市の清掃費用もふくらみます。粗大ゴミの放置は、軽犯罪法に
抵触する違法行為だという認識をもつべきだ。
【修正文】
●「だ・である調」で統一
粗大ゴミの放置問題は、軽視できない。街の美観を損ね、
市の清掃費用もふくらむ。粗大ゴミの放置は、軽犯罪法に抵触
する違法行為だという認識をもつべきだ。
●「ですます調」で統一
粗大ゴミの放置問題は、軽視できません。街の美観を損ね、
市の清掃費用もふくらみます。粗大ゴミの放置は、軽犯罪法
に抵触する違法行為だという認識をもつべきです。
※ 文体を統一するとすっきりと読みやすくなりますね