基本ルールその14
●間違いやすい敬語を押さえておく
・仕事場でのコミュニケーションが円滑になる
敬語は「覚える→使う」のくり返しで自分のものに
していくしかありません。
ここでは、仕事で使う敬語の中でも、間違いやすいものを
中心にご紹介します。
【A】の【ダメ文】は、「参る」という謙譲語に尊敬語の「られる」
を付けた不自然な言葉です。謙譲語に尊敬語を付けても、尊敬語に
はなりません。「来る」の尊敬語「お越しになる」「お見えになる」
「おいでになる」などを使うと正しい敬語になります。
【B】は、「尋ねる」の尊敬語「お尋ねになる」を使うべきです。
敬意を表す相手の行動に謙譲語の「お伺い」を使うのは間違いです。
なお、「尋ねる」を「質問する」に言い換えて、「ご質問ください」
としてもいいでしょう。
【C】のように社外の人間に対して身内の発言を尊敬語 「おっしゃる」
で表現するのは間違いです。謙譲語の「申す」を使うのが正解です。
また、社外の人間に対して身内 (自社)の名前を言うときは敬称
を略すのが基本です。 相手が 「橋本 = 営業部長」と認識している場
合は、「弊社の橋本が~」でもOKです。
【D】は【C】とは逆です。敬意を表す相手の行動についての記述です
ので、謙譲語の「申す」ではなく、尊敬語の「おっしゃる」を使い
ます。
※ 尊敬語・謙譲語を正しく使い分ける
【A】
【ダメ文 】 ●謙譲語に尊敬語を付けている
X社の高野社長が参られました。
↓ ※ 「来る」の尊敬語を使いましょう
【修正文】
① X社の高野社長がお越しになりました。
② X社の高野社長がお見えになりました。
③ X社の高野社長がおいでになりました。
●正しい表現になった
【B】
【ダメ文 】
ご不明点がございましたら、遠慮なくお伺いください。
↓ ※ 相手の行動は謙譲語にしない
【修正文】
ご不明点がございましたら、遠慮なくお尋ねください。
【C】
【ダメ文 】
弊社の橋本営業部長がよろしくとおっしゃっていました。
↓ ※ 身内の発言を尊敬語にしない
【修正文】
弊社営業部長の橋本がよろしくと申しておりました。
【D】
【ダメ文 】
ご要望があれば、何なりと申してください。
↓ ※ 相手の行動は謙譲語にしない
【修正文】
ご要望があれば、何なりとおっしゃってください。
【E】は身内(自社) に対して、「される」と敬う言葉を使うのが不
自然です。丁寧語で伝えればOKです。
【F】の「存じ上げる」は、「井出さんのことは存じ上げております」
という具合に、知っている対象が人の場合のみ使える言葉です。
人以外には使うことができません。
【G】の「いらっしゃいます」は尊敬語ですが、「ございます」は丁
寧語です。敬意を表する相手の名前に丁寧語を付けるのは失礼です。
「弊社の担当は大田でございます」という具合に、身内 (自社の人間)
に使うのは問題ありません。
「おる」は「いる」の謙譲語で、「明日は弊社におります」という
具合に使います。敬意を払う相手に対しては、【H】のように尊敬語
の「いらっしゃる」 を使います。
「伺う」は謙譲語ですので、敬意を表する相手の行動には使えませ
ん。【I】は「聞く」の尊敬語の「お聞きになる」を使うべきです。
「いたす」 は謙譲語です。【J】のように敬意を表す相手には尊敬語
の「なさる」を使います。
【K】のように「拝見」は謙譲語につき、敬意を表する相手の行為
には使えません。尊敬語「ご覧になる」を使いましょう。「資料に
目を通していただけましたか」の形でもいいでしょう。
「お目にかかる」は「会う」の謙譲語です。【L】のように目上の人
に対して「会うかどうか」を問う場合は、目上の人の行動なので尊
敬語に変換します。「お会いになる」や「会われる」を使いましょう。
「お待ちする」 は 「待つ」の謙譲語です。「お待ちしております」
のように、自分が目上の人を待つときに使います。【M】のように待
つのが敬意を払う相手の場合は尊敬語 (お待ちになる) を使います。
【N】の「申す」は謙譲語なので、相手に使うのは失礼と思う方も
いるかもしれません。しかし、「お申し出」に含まれる「申す」は
謙譲語の働きを持っていないので、相手の行為にも使えます。
【E】
× 西野は外出されています。
○ 西野は外出しております。
【F】
× 明日の会議の件は、存じ上げております。
○ 明日の会議の件は、存じております。
【G】
× 貴社のご担当は山下様でございますね。
○ 貴社のご担当は山下様でいらっしゃいますね。
【H】
× 明後日、高木さんはおられますか。
○ 明後日、 高木さんはいらっしゃいますか。
【I】
× 請求書の件は、伺っていますか。
○ 請求書の件は、お聞きになりましたか。
【J】
× お客様は、赤と白のどちらにいたしますか。
○ お客様は、赤と白のどちらになさいますか。
【K】
× 資料を拝見されましたか。
○ 資料をご覧になりましたか。
【L】
× 部長もお目にかかりますか。
○ 部長もお会いになりますか。
【M】
× 坂田先生が、会議室でお待ちしております。
○ 坂田先生が、会議室でお待ちになっております。
【N】
○ カタログが必要なお客様は、お申し出ください。
○ お申し出いただきありがとうございます。