■早く短く書く Chapter2 その31
● 余計な「前置き」や「注釈」を省く
・文章のリズムが整い読む人の負担が減る
余計な「前置き」や「注釈」が多い文章は、文章のリズムを
崩し、読む人に負担を強います。とくに、ビジネスなどで使う実務文では、
煙たがれるケースが多くあります。
具体例を見てみましょう。
【A】の「どうしてか、その理由はというと」という表現は、なく
ても意味が通じます。削ったほうがシンプルで読みやすくなります。
【B】は「そのことについて書かせてもらう」という改まった一文
を削除しました。ムダなタメがなくなり、リズムが良くなりました。
【C】は「私なりに少し意見を述べたいと思う」を丸ごと省きました。
読み手が「そんなことは、わざわざ説明しなくてもいい。
早く続きを書いてくれ」とイライラする可能性があります。
【D】は「その理由を3つに分けてお伝えします」を省いて、「3つ」
の部分だけ直前の文章に吸収しました。
いずれの【修正文】も、文章のリズムが整い、【ダメ文】に比べ
読む人の負担が軽くなりました。
ほとんどの場合、書いた本人は、余計な「前置き」や「注釈」が、文章のテンポを損ねていることに気づいていません。それどころか、いい「タメ」を演出できたと勘違いしている人もいます。丁寧に書こうという気持ちは分かりますが、それも程度問題です。文章を見直すときに、よく点検しましょう。
※余計な言葉を入れずに書く
● 前置き・注釈が多い文章
□テンポが崩れる
□ 読みにくい
□ 「タメ」 が演出できたと勘違い
● ムダな前置き・注釈を省いた文章
□テンポがいい
□読みやすい
□分かりやすい
【A】
【ダメ文】
先生の提案に賛成です。どうしてか、その理由はというと、
生徒の精神面を考えた際、それがベストの選択だからです。
↓ ※なくても意味が通じる言葉を削る
【修正文】
先生の提案に賛成です。生徒の精神面を考えた際、
それがベストの選択だからです。
【B】
【ダメ文】
食料不足に対する危機感が募るばかりだ。そのことについて
書かせてもらう。第一に、国内の食料自給率が低く~
↓ ※改まった一文を削除
【修正文】
食料不足に対する危機感が募るばかりだ。第一に、国内の食
料自給率が低く~
【C】
【ダメ文】
各業界で人手不足が続いている。私なりに少し意見を述べた
いと思う。 これまで新卒採用に注力してきたが、今後は中途
人材の採用を~
↓ ※説明しなくてよい情報は省く
【修正文】
各業界で人手不足が続いている。 これまで新卒採用に注力し
てきたが、今後は中途人材の採用を~
【D】
【ダメ文】
私がこの学校を志望したのには理由があります。 その理由
を3つに分けてお伝えします。 ひとつには~
↓ ※一文で説明できる言葉をまとめる
【修正文】
私がこの学校を志望したのには、3つの理由があります。
ひとつには~