■正しく書く Chapter3 その44
● 「さ入れ言葉」と「二重敬語」に注意
・「馬鹿丁寧」「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」と思われる恐れがある
間違った敬語の使い方の中でも、よく見かけるのが、誤用となる
「さ入れ言葉」です。「○○させていただきます」と書くと、謙虚で
丁寧な言い回しになります。ただし、どんな動詞にも「させる」を
付けていいわけではありません。
助動詞の「せる」「させる」は、五段活用の動詞 (「送る」「読む」
など)には「せる」を、それ以外の動詞 (「受ける」「着る」「建てる」
など)には「させる」を付けるのが原則です。
本来「せる」を付けるべき動詞に「させる」を付けた表現が 「さ
入れ言葉」です。
【A】はいずれも五段活用の動詞ですから「せる」を付けるのが
正しいのですが、「させる」を付けて「さ入れ言葉」になってしま
っています。
また、似たような誤用に、ひとつの言葉に2つ以上の敬語を付け
てしまう「二重敬語」があります。
【B】は、不必要な敬語を重ねてしまい、正しい日本語になっていません。
本人にそのつもりはなくとも、「二重敬語」を書くことによって、
読む人に「馬鹿丁寧」「慇懃(いんぎん)無礼」と思われてしまう恐れがあります。
なお、二重敬語の中には、「お召し上がりになる」 (正しくは「召
し上がりになる」)「お伺いします (正しくは「伺います」)など、
慣用化しつつある言い回しもあります。
※ 敬語を正しく使う
【A】 ●五段活用動詞には「せる」を付けましょう
× 今日中に送らさせていただきます。
○ 今日中に送らせていただきます。
× 本文を読まさせていただきます。
○ 本文を読ませていただきます。
× 買わさせていただきます。
○ 買わせていただきます。
× 動かさせてもらいます。
○ 動かせてもらいます。
【B】 ●ひとつの言葉に付ける敬語はひとつにしましょう
× お読みになられましたでしょうか。
○ お読みになりましたでしょうか。
× お召し上がりになられました。
○ お召し上がりになりました。
× 先生がおっしゃられたことは、ごもっともです。
○ 先生がおっしゃったことは、ごもっともです。
× お電話でお承りしました。
○ お電話で承りました。 / お電話でお受けしました。
× 料理をなされるそうですね。
○ 料理をなさるそうですね。 /料理をされるそうですね。