■正しく書く Chapter3 その55
● 修飾語の順番を適正化する
・読者により伝わりやすい文章に変化する
修飾語の順番を適正化するだけで、格段に分かりやすい文章に変
化します。 いくつかある原則の中で、最初に紹介するのが、【「長い
修飾語」は先、「短い修飾語」はあと】という原則です。
【A】の【ダメ文】を読んで、「小さな届いたばかり」ってどういう
意味? と思った方もいるでしょう。
実は、「小さな」は、「届いたばかり」ではなく、「イス」を修飾
しています。つまり「小さな」と「届いたばかり」という2つの言
葉は、どちらも「イス」を修飾しているのです。
分かりにくくなってしまった原因は、「短い修飾語 (=小さな)」が、
「長い修飾語(=届いたばかりの)」より先にあるからです。
この文章を【「長い修飾語」は先、「短い修飾語」 はあと】の原則
にあてはめます。
【修正文】の順番であれば、誤読する人はいないでしょう。
また、【「節」は先、「句」はあと】という原則もあります。
節とは「1個以上の述語を含む複文」を指し、句とは「述語を含
まない文節=文の最小単位」を指します。
【B】の「共働きの」は「親御さん」を修飾する--- これが、この
文章の正しい修飾関係です。
ところが、【ダメ文】では、「節 (=子どもをもつ)」より先に「句
(=共働きの)」を置いたせいで、「共働きの」が「子ども」を修飾
しているように見えます。
節と句を逆転させた 【修正文】なら、違和感がありません。
※ 修飾語の順番の原則を守る
●修飾語の順番原則①
「長い修飾語」は先、「短い修飾語」はあと
【A】
【ダメ文】 ●「小さな届いたばかり」が意味不明
小さな届いたばかりのイス。
↓ ※ 長い修飾語を先に置きましょう
【修正文】
届いたばかりの小さなイス。
●意味が分かる文になった
●修飾語の順番原則②
「節」は先、「旬」はあと
【B】
【ダメ文】 ●「共働きの子ども」に読める
共働きの子どもをもつ親御さんが対象です。
↓ ※ 節と句の位置を入れ替えます
【修正文】
子どもをもつ共働きの親御さんが対象です。
●違和感がなくなった
【「長い修飾語」は先、「短い修飾語」はあと】【「節」
は先、「旬」 はあと】の2つの原則を紹介しました。
では、下記①~③でもっとも伝わりやすいのはどれでしょう?
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① 手作りの弾力性がある白いクッション。
② 白い弾力性がある手作りのクッション。
③ 弾力性がある手作りの白いクッション。
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2つの原則に従うと、「弾力性がある(節)手作りの(長い)
→白い(短い)」となる③が理想となります。
ここまでに紹介した2つの原則にしたがっても、違和感をぬぐえ
ない文章が存在します。比較する修飾語の内容 (状況) に差がある
ケースです。この手の文章には、さらにもうひとつの原則【「大き
な状況」は先、「小さな状況」はあと】をあてはめましょう。
【C】の【ダメ文】では、「推薦された」にかかる修飾語が、原則の「長
「い→短い」順に並んでいます。しかし、お世辞にも読みやすい文章
とはいえません。修飾語の内容 (状況) に差があるために、単純に
「長い→短い」の並びでフォローできないのです。
このような文章では、修飾の順番【「大きな状況」は先、「小さな
「状況」はあと】の原則をあてはめます。
「大状況→中状況→小状況」 と進む 【修正文】は、文の構造が明確
で、理解に手間取ることがありません。
もちろん、原則には「例外」がつきものです。
【D】の【ダメ文】では、「父が壊れている」と誤読される恐れがあ
ります。 原則を適用してもなお「違和感が残る」「分かりにくい」「誤
読を招く恐れがある」というケースでは、臨機応変に修飾語の順番
を入れ替えましょう (「読点を打つ」 「カッコを用いる」 「二文に分
ける」などの工夫も有効です)。
修飾語の順番 「大きな状況」は先、「小さな状況」はあと
原則③
【C】
【ダメ文】 ● なんとなく読みにくい
創業直後のスタートアップ企業から、 2024年の秋に社外取
締役に私は推薦された。
↓※ 状況の大きさによって
修飾語の順番を
並べ替えましょう
【修正文】
2024年の秋 〈大状況〉、創業直後のスタートアップ企業から
〈中の大状況〉 私は 〈中の小状況〉 社外取締役に 〈小状況>
推薦された。
● 読む人に伝わりやすくなった
【D】
【ダメ文】 ● 「父が壊れている」と読める
壊れた父のラジオ
↓※ 修飾語を
入れ替える
【修正文】
父の壊れたラジオ
● 自然な文になった
★POINT★
自然な文になった
原則には例外もあるので
臨機応変に対応しましょう