■早く短く書く Chapter3 その56
● 主語や目的語の省略は適切に行う
・書き手が「伝えたつもり」になっているかも
日本語では、主語や目的語を省略するケースが珍しくありません。
例えば、上司に「明日は、一日中、社内におります。もしお時間が
ありましたら、簡単な打ち合わせをお願いします」というメモ書き
を残すときに、次のような書き方はしません。
「明日は、一日中、私は社内におります。もし鈴木次長にお時間が
ありましたら、私と鈴木次長で簡単な打ち合わせをお願いします」。
すべての主語や目的語を盛り込んでいたら、読みにくくて仕方あ
りません。とはいえ、読む人が「どういう意味?」と首をひねるよ
うな省略は避けなければいけません。
つまり、主語や目的語を省略するときは、「省略しても確実に意
味が伝わる」という確証がなければいけないのです。
【A】の【ダメ文】は、前半の一文は理解できますが、後半の一文
の意味がよく分かりません。「持ち直した」のは、体調不良だった
友人でしょうか? 肩を落としていた私でしょうか? 同じく、「捻
挫で歩けなくなった」のは誰でしょうか?
言葉を省略した状態で意味が伝わるかどうかは、読み手との関係
性 (情報の共有具合) にもよります。しかし、文章を書くときには、
「そう簡単には伝わらない」という認識でいたほうが賢明です。書
き手の「あたり前」と読み手の「あたり前」は違うのです。
【B】も同様です。「この言葉を省略すると、読む人に誤解されるか
もしれない・・・・・・」という不安が頭をよぎったら、そのまま放置せず
に、主語や目的語、補語などを適切に盛り込みましょう。
※ 主語・目的語・ 補語などを適切に盛り込む
【A】
【ダメ文】 ●「持ち直した」のは誰?
食事の約束をしていた友人が体調不良とのこと。 会えるのを
楽しみにしていた私は、がっくりと肩を落としてしまいまし
た。しかも、持ち直した日に、こんどは捻挫で歩けなくなっ
てしまいました。
↓ ※ 後半の文に主語を入れましょう
【修正文】
楽しみにしていた私は、がっくりと肩を落としてしまいました。
しかも、友人が持ち直した日に、こんどは私が捻挫で歩
けなくなってしまいました。
●「誰が」が伝わる
【B】
【ダメ文】 ●何と「垂直」にすればいい?
故障の原因となりますので、必ず垂直に設置してください。
↓ ※ 補語を加えましょう
【修正文】
故障の原因となりますので、必ず壁面と垂直に設置してください。
●指示が明確