可愛い仔の言うことには人間は無力です
愛くるしい姿で、イヤイヤをされたら?
「あれ~どうしたの~?」
なんて猫なで声で応えてしまう・・・(笑)
どれだけ疲れていても「遊んで~」と擦り寄って来たら?
全力で遊んであげます!

お散歩デビューへ向けて
家に来て幾日か過ぎた頃、短い距離ですが外の世界を経験させる事に。
当初は玄関付近だけでしたが、怖がらなかったので早速リードをつけて冒険の旅へ出ることに。
と言っても彼の生家である友人宅付近との往復程度(約600メートル)ですが(笑)
時給は500円♪
当時高校生だった私は近所のスーパーでアルバイトをしていました。
学校がある日は夕方から閉店まで。日曜や長期休暇の際は少し長い時間働いていました。
中学生からの友人と一緒だったこともあり時給は・・・(笑)ですが、楽しい職場でした。

普段と変わらない日常の
ある日の午後8時、アルバイト先のスーパーでいつものように閉店作業を終えます。
業務が残っていなければ8時30分までには帰路につきます。
「ちょっとだけ行く?」
他のお題のブログに先述していますが、そのスーパーも大学の近隣にあり友人とよく通っていたゲームセンターへその夜は寄り道することに。
ひとしきり遊んで帰路につくことに。
そして我が家が見えたところで玄関先の数名の人だかりに気がつきます。
えっ・・・?
父と母、それと見知らぬバイクと運転手らしき男性の姿。
その傍らで俯いているばかりの妹・・・
状況が読み込めない私は矢継ぎ早に尋ねようとすると
大学生かもう少し年上くらいのバイクの運転手であろう男性が
「すいません!ごめんなさい!」

咄嗟に
妹の腕に抱かれている「リュウ」
反射的にその男性に喰ってかかろうとした瞬間、妹が
「私が悪いの!」続けて母が
「このお兄さん、たくさん病院を回ってくれたけど駄目だったの」
と制されます。
そして父が「生き物を飼うと、こういう辛いことがあるから・・・」
その言葉で悲しみが全身を駆け巡りました。
原因は
私がバイトの日だったので妹が1人で「リュウ」と夜の散歩へ。
いつもの散歩コースの帰り道、家近くの信号が無い交差点までくるとリードが嫌になってきたらしく抱っこしようとしても走って帰ろうとするので手から離れてしまったそうです。
そして交差点の間際だったこともあり、バイクが急に止まれることはなく・・・
泣きじゃくる妹を
バイクのお兄さんは「リュウ」を抱かせた妹の頭に自分のヘルメットを被せ、そのまま動物病院を4,5件も回ってくれたそうです。
現代であればスマホか何かで調べることが出来ますが、まだ携帯電話も流通していない昭和終盤です。どれだけ手を尽くしていただいたことでしょう、今思い返しても感謝しかありません。
後悔
別れ際にも何度も謝罪するお兄さんにお礼を述べ、家族全員家の中へ。
少し落ち着いた妹に、あることを聞いたことで私は歯ぎしりするほど自戒の念にかられることになります。
「散歩は何時頃に出たの?」
「8時過ぎ」・・・
散歩コースは約20~30分ほど。
私がバイト先から帰宅するコースとほぼ同じ。
バイト先から自宅までは徒歩でも7分、自転車なら3分程の距離です。
当時私の頭を過ったのが、友人と寄り道しなければ事故の起こる直前に「リュウ」と散歩中の妹に出会えたのではないかと。
早すぎる別れ
翌日「リュウ」の生家である友人宅へ赴き、その旨を伝え謝罪します。
友人のご両親が「生き物を飼う限りはある事だよ」と慰めてくれました。
我が家に出迎えてから、あまりにも短い約1カ月で荼毘に付したあと父が
「こんなん辛いからもう何も飼うのはやめとこうな」
身に心に沁む言葉となりました。

家族全員
前回の「コロ」の時は私だけでしたが事故後は妹、貰い受ける話を持っていった当初は了承したもののそこまで乗り気ではなかった母もロスを感じているようでした。ペットに関してもかなりドライな感覚の持ち主だと思っていた父でしたが気遣いはしてくれていました。
次回は・・・
ロスに陥った我が家。
新たなる出逢いが訪れます。
それでは次話をお楽しみに。