■相手を動かす Chapter5 その85
● 五感を刺激するシズルを書く
・読む人の頭に鮮明なイメージが浮かび上がる
「ステーキを売るな、 シズルを売れ!」
エルマー・ホイラーという経営アドバイザーの有名な言葉です。
シズル (sizzle) とは、ステーキを鉄板で焼くときの「ジュ~ジュ~」
という音のことです。
「シズルを売れ」とは、鉄板でステーキを焼くときの匂いだったり、
したたる肉汁だったり、「ジュ~」という音だったり、消費者がお
いしさをイメージできる方法で訴求せよ、という意味です。
例えば、焼肉屋さんでメニューを見たときに、肉汁を飛び散らせ
ながら、鉄板の上で豪快に焼かれるステーキの写真を見せられたら、
がぜん食欲がかき立てられます。
文章も同じことがいえます。【A】の場合、食べたくなるのは②で
はないでしょうか。
「シズル」の正体は、読む人の五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味
覚)を刺激する表現力です。シズルには、読む人の頭に鮮明なイメ
ージを浮かび上がらせるパワーがあるのです。
五感を刺激する表現として「ワクワク」「じゃんじゃん」「サクサ
ク」「ぬるぬる」「シャキッと」「ズバッと」「サクッと」・・等々、
擬音語(生物の声や無生物の出す音を表す語)や擬態語 (動作・状
態などを音で象徴的に表現する語)を使う手があります。
また、「春先に咲く花のようなさわやかな匂い」「無邪気に遊ぶ子
猫のような愛くるしさ」という具合に、読む人がイメージしやすい
形容詞や比喩を使って五感を刺激することもできます。
※ シズルの表現を使いこなす
【A】
① 甘くておいしいマンゴーです。
② とろーり果肉からジュワッと果汁が広がるマンゴーです。
● おいしそう!
※ 「シズル」とは読む人の五感を刺激する表現のことです
● 読む人の五感に訴える
× おいしい大トロ
○ 口に入れた瞬間トロリととろけていく大トロ
× サウナで整う
○ サウナでドバドバ汗をかいた後、キンキン水風呂ですっきり整う
× 洗い立てのタオル
○ ふっかふかでお日様の香りがする洗い立てのタオル
× 樽で熟成された赤ワイン
○ オーク樽のスモーキーな香りに、コクとまろやかさを兼ね備えた
熟成赤ワイン
■ シズルの表現例
ふわふわ カリッカリ つるっと ズドン
スカッと するする ビシッと じわ~っと
※ 擬音語や擬態語を使うと「シズル」を表現できます